NPO法人 全国GIS技術研究会の情報委員会によって作成した「地理空間情報事業者の個人情報保護に関するガイドライン」第五版のダイジェスト版を作成しましたので公開いたします。
このガイドラインは、地理空間情報事業者が行う個人情報の適正な取扱いを支援することを目的として 定めています。
当研究会は、平成 17 年 10 月に「個人情報の保護に関するGIS技術研究、開発を行う建設関連事業者 のガイドライン」第一版を発表しました。その後、日本工業規格のJISQ15001が平成 18 年 5 月に大幅改 正されたことに伴い、平成 18 年 11 月にこのガイドラインを改定して第二版を発行し、続いて、平成 19 年 3 月と平成 21 年 10 月に経済産業省のガイドラインの見直しがあり、これに対応してそれぞれ第三版及び第 四版を発行いたしました。
地理空間情報活用推進基本法の理念及び基本計画においては、地理空間情報を、ユビキタス社会の 情報基盤として位置付け、誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報等を使ったり、高度な分析に 基づく的確な情報を入手し、行動できる「地理空間情報高度活用社会」の実現が提唱されています。
こうした中で平成22年9月に、地理空間情報活用推進会議より、地理空間情報の活用の推進と個人の 権利利益保護の両立を図るために「個人情報保護の観点から何らかの措置が必要な地理空間情報かどう かの判断指針」「主な地理空間情報の利用・提供推進の考え方」「地理空間情報の提供・流通にかんがみ た段階別の個人情報保護対策」等について取りまとめられた『地理空間情報の活用における個人情報の 取扱に関するガイドライン』の発表がありましたので、地理空間情報事業者にかかわる問題を中心に見直し を図り、合わせて名称も「地理空間情報事業者の個人情報保護に関するガイドライン」として第五版を発表 いたしました。
このガイドラインは、個人情報保護法を基準とした
と、経済産業省及び地理空間情報活用推進会議のガイドラインから多く引用し併記して編集しておりま
すから、そのまま自社の個人情報保護マニュアルとしてご活用頂くことで、事業内容に合せた個人情報保 護体制構築を可能としています。
2005年4月に個人情報保護法が施行になって以来5年が経過しましたが、個人情報の漏えい等に関 する事件事故は一向に減少していないのが実情であります。いや、むしろ増大していると言っても過言では ありません。100年に一度と言われる厳しい経済状況の中で、個人情報の保護対策の低下が予想され、 更に多くの漏えい事件等の発生が懸念されます。
地理空間情報事業者の皆様が、こうした事件発生の当事者にならないように 本ガイドラインをご活用い ただき、個人情報保護に関する取組を積極的に進めて、お客様その他一般社会からの一層の信頼確保 に努められますようお願いいたします。
平成22年11月15日
NPO法人全国GIS技術研究会
理事長 山下定男