3次元計測、3次元モデルベースの設計からBIM/CIM/GISの融合に向けて

3次元計測、3次元モデルベースの設計からBIM/CIM/GISの融合に向けて

-2021年度NPO法人全国G空間情報技術研究会・全国大会のZoomによるオンライン開催-

NPO法人全国G空間情報技術研究会理事長  碓井照子

                                       

   2021年11月5日、Zoomオンライン形式で全国大会が始まった。今回で2年連続のオンライン大会になる。開催前と休憩時間に2007年からの全国大会の映像が流され懐かしい想いがした。

   会員企業からは、高解像度マルチカメラ(MMC:特許出願中)による小型橋梁維持点検管理の提案と長い実績のある橋梁点検支援ロボット(視る・診る)の紹介、UAV3次元点群データによる3次元景観表示からBIM/CIMモデルベースの3次元橋梁設計実務への発展、そして3Dレーザースキャナーを活用した御堂筋3DアーカイブやVR事業への展開に関する4つの発表があった(表)。

   近畿北陸G空間情報技術研究会のジビル調査設計株式会社とクモノスコーポレーション株式会社は、測るだけでなく自社で開発した測量機器も販売・レンタルする「ものづくり測量業」の先駆的な企業でもある。また、東北地方のi-Constructionの先導企業である株式会社昭和土木設計は、早くより橋梁設計業務にUAVによる3次元点群データの景観シュミレーションを取り入れ、2011年東日本大震災で倒壊した橋梁の設計業務では、BIM/CIMモデルベースの設計(3D計測/BIM/CIM設計)を実施してきた。これらの先進的取り組みを通じて、東北地方でのi-Constructionの普及・教育活動が2019年度のi-Construction国土交通大臣賞「地場コンサルからの全体最適化を目指した取り組み」を受賞したのである。同年、クモノスコーポレーションもi-Construction大賞 優秀賞を受賞している。

 2013年の道路法施行規則改正により、橋梁・トンネルなどの道路インフラは5年毎に近接目視による定期点検が道路管理者に義務付けられ、地域一括発注方式も可能になった。このことはまた、従来、地場の中小測量設計業のインフラ点検ビジネスに大手建設コンサルタントやIT企業の参入増加の要因にもなっている。さらに技術変化も目覚ましく、AI活用のクラウド型ひび割れ自動判定ビジネスなど、この分野の無人化ビジネスは急拡大しているのである。

   このような厳しい状況の中、NPO全国G空間情報技術研究会の会員企業はどのようにビジネスを展開すればいいのか。そのような方策を求めての全国大会でもあった。

私は、この3社の発表への総括として、今こそ、GIS、地理空間情報技術を使用して建設関連企業との差別化が必要であり、BIM/CIM/GIS統合の状況を認識することの重要性を強調した。CIMの標準交換フォーマットになったLand-XMLと地理空間情報の民間企業による標準化団体OGC(Open Geospatial Consortium)との関係、そして2021年7月には、ESRI社がGeoBIMを公開し、2021年に公開された3D都市モデル(PLATEAU)のLOD4におけるBIMとの連携も現実のものとなってきたからである。

   地場の測量設計コンサルタント業にとって、地理院地図活用の橋梁維持管理WebMAPを橋梁点検維持管理データベースにセットで納品することも一つの戦略であるといえる。将来の橋梁アセットマネージメントに活用できるからである。

 

「GIS NEXT    第78号  掲載記事より」