第14回全国大会の開催

第14回全国大会の開催

NPO法人全国G空間情報技術研究会 専務理事 宮島四郎

 7月11日(木)、14回を迎える全国大会を昨年と同じ会場のお台場タイム24ビルにおいて開催し、100名を超える参会者が集まりました。新たな試みとして、午前中はメンバーを職種毎の6チームに分け、それぞれで課題を設定して話し合いを行いました。地域を越えた情報交換と共有ができたと、参加者から好評を得ることが出来ました。

 午後からの全国大会では、まず碓井理事長が「測量行政懇談会のまとめと、これからのNPO活動」と題して講演を行い、今年3月15日に開催された国土地理院測量行政懇談会で報告された政策の中から、今後各支部で促進すべき事業として、自然災害伝承碑および基盤地図情報スパイラルアップ更新、2022年からの地理総合必履修化に向けた支援活動についての基本方針、昨年度より各支部で行っている活動事例などが紹介されました。

 続いて、来賓の国土地理院参事官の鎌田高造氏から「衛星測位時代の測量シーン」と題して講演していただきました。2018年11月からみちびき4機体制で正式にサービスが開始され、全国約1300箇所の電子基準点を使って補強情報を配信することで㎝オーダーの高精度測位情報を取得できます。

また、水害が多発している中国地区からは、ドローンを活用して災害対応を行った実例が3件発表されました。特に被害が大きかった平成30年7月の岡山における豪雨災害については、災害発生時から現在までドローンを使った観測事例の報告もあり夏場での操作には暑さ対策が重要との貴重なアドバイスもありました。

 各支部代表者の事例発表後、碓井理事長と鎌田参事官、さらに国土地理院応用地理部長の中島秀敏氏の三人から総評をいただきました。また参加者からは、成果発表の内容が素晴らしい、年々確実に技術レベルが向上しているといった賞賛の言葉をもらいました。

 これからのi-Construction時代、ドローンや三次元測量にしっかりと向き合っていける自信を感じた大会となりました。

 

 

ただし、地殻変動の激しい日本列島では地図も基準点も補正しなければ不良品になってしまうため、地殻変動を起こす要因を理解し、誤差を抑えるための補正理論と実際の方法を顧客に説明できる技術者になって欲しい、機器の操作能力だけを求めるのであれば単なる「気の利いた作業者」止まりの測量技術者でしかありませんと、全国から会場に集まった若手技術者に向け、あるべき姿を示していただきました。

 次に、技術委員会より今年度の報告と次年度の計画が発表され、続いて全国6支部の代表から事例が発表されました。その中にはGISとWebを上手に活用して受注業務を遂行した事例発表もありました。

 6月19日付けで地理院地図に正式公開された自然災害伝承碑については、2月13日、和歌山県田辺市に碓井理事長と地元会員3社が訪れ、真砂市長と面談しました。南海トラフ地震が発生すると田辺市は津波で甚大な被害を受けることが予想されていて、過去の大津波後被災に設置された津波碑17ヵ所において、GPSを使って実測した位置情報を田辺市経由で国土地理院に提出し、データが公開された経緯が報告されました。

 

 

 

 
     

                                     

 

「GISNEXT    第68号  掲載記事より」