G空間スキルアップセミナー2018 in長野
NPO法人全国G空間情報技術研究会 専務理事 宮島四郎
全国G空間情報技術研究会関東中部G空間技術研究会では、毎年自らのスキルアップを目的にセミナーを開催しています。本年は、10月4日(木)にこれからの測量設計業に大きく関係する「ドローン」を単に飛ばすスキルの研修だけでなく、実務に役立つ実習として災害時に空撮するドローン研修を企画しました。講師は、全国の被災現場で状況把握をされている国土地理院企画部防災推進室長の田山裕二氏に長野県美ヶ原高原の麓にある武石番所ヶ原スキー場まで出張して貰い、スキルアップセミナーを開催しました。 |
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先ず開会に当たり、増澤延男会長から「我々地方測量業者は、常に新技術を研修して、i-Construction時代に対応出来る技術力を身に付ける必要がある、研究会の仲間同士で研鑽し合い、3D時代の新たなビジネスチャンス作りにしたい!」と挨拶がありました。 |
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続いて基調講演は、国土地理院田山裕二室長に「災害時の動画取得について」と題して、災害時に出動している国土地理院ランドバード(GSI-LB)活動を通してドローンを使用した災害時の動画取得の問題点・注意事項を具体的にお話いただきました。話の中では単に災害箇所の画像を撮るだけでなく出来れば周辺を撮影して欲しい、何故ならば二次災害の恐れを判断したい・・土砂災害では、崩れた部分だけでなく更に上層部に亀裂が入っていないか? 河川に流木が堆積していないか? 等の直接見に行けない箇所の情報が欲しいと話されました。参加者からはやはり実務の経験からのお話で大変勉強になったとの感想が有りました。 続いて地元上田市の株式会社みすず綜合コンサルタント常務取締役高藤亨仁氏より自社所有でレーザーを搭載したドローンを使ったデモンストレーションで、 |
スキー場のゲレンデの中央部分を被災箇所に見立て、上空を飛行させてデータを取得しました。 午後には場所を移動して、同社の高藤亨仁氏から午前中に空撮で取得したデータを使って解析する工程を紹介して貰いました。参加者の中にはドローンを購入しているものの実務では使用したことがない技術者もいましたが、実際の作業工程を全て観て自信が湧いてきたようです。在る技術者からは、三次元測量の時代にはドローンの操縦技術だけでなく、データ解析のスキルを身につけなければならない! と更なるスキルアップの話も聞けました。続いて実務講演は、関東中部G空間情報技術研究会小堀俊明事務局長に「災害時の出動手順と管理体制」と題して、会員企業の空撮技術者及びドローン機種とカメラを登録する件と今後各社が整備する安全管理マニアル作成手法の説明がありました。 |
関東中部G空間情報技術研究会の奥泉春夫技術委員長による閉会挨拶では、今後とも技術力向上と会員間での情報共有は当たり前、将来的には国土地理院ランドバード部隊と災害時のデータ取得で情報交換が出来る程のスキルを持つ技術者集団に育てたいとの決意表明があり、総勢53名で行った初のドローン研修は大きな成果を得て終える事が出来ました。 |
「GIS NEXT 第65号 掲載記事より」