第12回 全国大会の開催

第12回全国大会の開催

NPO法人 全国G空間情報技術研究会 専務理事 宮島四郎

                                      

   第12回全国大会は、6月22日(木)、東京お台場タイム24ビルに総勢122名が全国より参集して、午前は講演会、午後からは分科会の一日コースで実施した。定款変更の認証が受領できたことでNPO法人全国G空間情報技術研究会の新名称で開催できた。又、測量系CPD協議会への加入が認められ、学習プログラム認定を受けたことにより測量CPDを自ら発給できる大会となった。地理空間情報活用基本法制定後10年を迎え大きく変貌するG空間情報社会の中、測量技術者の役割を認識できた大会でもあった。

   先ず、特別講演で国土地理院長村上広史氏に講演いただいた。私見に基づく考察と前置の後に、測量を取り巻く状況を分析、取り組むべき課題を抽出していただいた。特に技術革新への対応を強調され、今がチャンス・チャレンジ・チェンジの時と激励された。主催者講演は碓井理事長が「第三期地理空間情報活用推進基本計画と測量設計業の在り方」と題して、名称変更の背景にもなる新しい時代の幕開けを解説受けた。続いて基調講演は国土交通省でi-Construction推進の先頭で活動されている総合政策局公共事業企画調整課施工安全企画室課長補佐近藤弘嗣氏より講演いただいた。i-Constructionの目指すものは生産性の向上、魅力ある建設現場、安全性を飛躍させることと定義された。28年度ICT土工の実績と実例を説明いただき、29年度に向けた新たな取り組みも紹介していただいた。維持管理分野のロボット活用という興味深い取り組みを紹介された。

   昼食と休憩を挟み午後からは「i-Construction」「GIS」「3D」の三つのテーマに分けてワークショツプ形式で分科会が行われた。三つのテーマ毎に会場を設営し各々で1時間のプレゼンとその後15分で質疑応答を行う形で2回同じ内容を繰り返した。参加者は自分で聞きたい2回分のテーマを決めて受講する形式にした。発表は技術委員会各メンバーが1年間掛けた研究成果であったが、新しい試みとして会員がICT技術を駆使して受注した3次元測量の実例とUAVレーザースキャナーを自社導入した会員から実稼動させた結果が報告された。賛助会員であるテクノシステム、マプコン、福井コンピータからは最新のアプリや情報提供が行われた。質疑応答では仲間内ということで本音の遣り取りが出来、普段は中々聞けない物事の実態まで聞くことが出来たと好評であった。

   分科会終了後、碓井理事長と来賓の国土地理院関東地方測量部長中島秀敏氏にも加わっていただき総評が行われた。技術委員会の成果発表は、年々技術レベルが確実に向上していると評価された。纏めとしてi-Construction幕開けとは測量技術者の力が試される時代であり、高度化した測量成果はデータの信頼性が重要になると差別化にも言及された。

   終了後、会場を変えて懇親会に移った。第4次産業革命のフロントランナーとして世界最高水準のG空間情報社会実現に向けて、これからの使命を共有できる1日となった。

 

    

「GIS NEXT  2017.7  第60号  掲載記事より」