NPO 法人全国GIS 技術研究会 専務理事 宮島 四郎
NPO法人全国GIS技術研究会は、4月より奈良大学名誉教授碓井照子氏を理事長に迎え、新たな体制で新年度のスタートを切った。全国6支部が定時総会を終了した6月18日(火)、各支部幹部が東京に集結して、総勢115名の参加を得て全国大会を開催しました。
冒頭の記念講演では、碓井理事長自ら「GIS産業論」を解説され、今後NPOが展開する具体的目標を1時間半に亘って熱弁されました。全国各自治体で使用するインフラとしての電子地図は、基盤地図情報を更新して道路や建物情報を大縮尺のレベルで実現する事、実現する為には産官学連携で活動する事、我々は国土地理院の包括的協力協定を地方自治体に推進していきます。我々の若手技術者は地元自治体に対しICTのスキルを付けサポートする事、既に全国各地には地理情報システム学会が認証したGIS上級技術者を20人近く輩出、今後は更に自治体担当者に資格取得を働き掛けると同時にスパイラルアップの更新を実現させる事を活動方針に掲げて、全国展開していくとしました。
国土交通省国土地理院企画部長村上広史氏からは、ちょうど5年前の基本法が制定された当時に研究会幹部に向けて講演したpptを使い当時と現状を比較され、測量・地図技術者への期待としてCHA-NCE、CHALLENGE、CHA-NGEの状況は今も続いているとエールを送られました。引き続き「国土地理院の今後の取り組み」と題して、国としての施策を講演していただきました。
技術講演は、株式会社リプロ代表取締役岡田謙吾氏より同社が開発して拡販に力を入れているICチップを埋め込んだ情報杭について、今後の戦略とGISへの利活用を、海外商談も交えてご講演いただきました。
実践講演では、元大阪府門真市職員一氏昭吉氏から碓井理事長の方針を裏付ける講演で、門真市で稼働しているGISを紹介。基盤地図情報の活用により正確で新鮮、かつ安価にGISが構築出来る早道と語られ、スパイラルアップは、更新の分担がポイントで国土地理院との具体的なデータの遣り取りでの注意点までレクチャーをいただきました。
会場を変えて懇親会に移り、発足以来ご指導いただいている日本測量協会副会長星埜由尚氏の挨拶に始まり、ネクストパブリッシング代表取締役千葉厚氏から乾杯の発声があり、碓井理事長の就任祝賀パーティを兼ねた懇親会は、終始和やかなムードに包まれていました。
「GIS NEXT 2013 Summer(第44号)投稿記事より」