第3回国連防災世界会議2015下水道防災シンポジウムin仙台(展示レポート)

開 催 概 要
平成27年3月14日~18日、第3回国連防災世界会議が仙台市で開催されました。
この会議は、10年に1度の国際会議で、横浜、神戸に続き、第3回は東日本大震災の被災地でもある仙台での開催となりました。
会期中は、「仙台国際センター」での本会議のほか、仙台市内を中心に防災に関
わるパブリックフォーラムや展示等のイベントが開催され、17日と18日には「2015下水道防災シンポジウムin仙台」が開催されました。
その展示会場として「南蒲生浄化センター」が選定され、仙台市の下水道事業において当研究会の会員企業が開発したGISを採用していることから、参加依頼を受け、16日(月)~19日(木)の期間でパネル展示に出展しました。
 

なお、本体会議には世界187ヵ国約6,500人、パブリックフォーラムには、延べ15万人を超える方々が参加し、国内でも過去最大規模の国際会議となったようです。
今回の展示ですが、下水道事業に関する公益法人や下水道設備を扱う大手企業の中にGIS関係のNPO法人である我々は、少し特異な存在に感じました。今回のレポートでは、その展示の様子を簡単にご紹介します。

展示1日目
この日は、国連加盟国の政府関係者等の被災地公式視察(スタディツアー)です。忙しいスケジュールの中で、各ブースを見る余裕がなかったようですが、当研究会のブースには、ハンガリー代表の方が来られました。
碓井理事長が自ら英語で説明したところ、仙台市の最先端の技術に関心しきりでした。
 
展示2日目
朝一番からGISに興味を持つ県外行政機関の方が熱心に質問され、仙台市職員の方も我々と共に説明されていました。また、海外の公益事業等に携わる「国際労務労連」加盟国の方等も見学に来られました。この日は、シンポジウムの際、仙台市職員の方からGISの展示を紹介されていたニュージーランド代表の方が訪れ、GISの整備は勿論のこと、アセットマネジメントへのデータの利活用について大変興味を持たれていました。
 
昔、行政に携わっていた方が引退後、個人で地理的な歴史文献等を研究し、震災直後も津波遡上範囲等も調査され、今も町内会でご活躍されている方も訪問されました。逆に色々と説明していただき、帰り際に「こちらいいね~」というお褒めの言葉を残し、お帰りになりました。ありがとうございました!
 
展示の合間に・・
展示の合間に東日本大震災直後、南蒲生浄化センターの職員の方々が避難された管理棟の屋上が一般開放されていたので見学しました。

施設内の壁に表示された津波遡上高。これらの施設もあの日、壊滅的な被害を受けたのです。水処理系のほとんどの機器類は損傷し使用不可となったそうですが、職員及び管理委託業者の方、101名は管理棟屋上に避難し、無事だったそうです。津波による冠水が解消し始めた翌日12日、施設の点検中に自衛隊ヘリコプターに発見され、救助されたそうです。現在、国内外から多くの方が復旧工事現場への視察に来られているようです。
 
研究会交流会
展示見学ツアー後、仙台ガーデンパレスを会場に「全国GIS技術研究会交流会」が行われ、碓井理事長の学術会議提言等の講話、宮島専務からの情報提供、各地区の動向報告による意見交換等が行われました。
 
 
展示3日目
一般開放最終日のこの日、各ブースすべてを訪問している勉強熱心な女性の学生さん?が来られました。このような女性が日本の将来をリードしていくのではないでしょうか・・。
 
 
展示4日目(最終日)
下水道事業担当者限定のこの日、全国の下水道事業担当者による「下水道場」が行われました。要するに「勉強会」だそうです。タイトなスケジュールの中で会場到着後、各ブースを見学されていましたが、当研究会のブースに立ち止まって遠目に見学される方が非常に多いように感じました。
下水道事業担当者でGISに関心を示す方は多く、GISが既に導入されていても、その運用面では現在、不満を持っている方もいるようです。
また、将来の事業を見通す技術でもある「アセットマネジメント」に興味を示す方は、国内外問わず非常に多いです。
閉会式では、仙台市の下水道技術を海外にも売り込むという発表もされ、全国的に見ても、我々地元企業が地方行政にGISを提案する機会はまだまだあると実感できた展示会でした。